2017年9月11日 星期一

明無名氏本『霊枢』

『新刊黄帝内経霊枢』(日本内経医学会影印内藤湖南旧蔵本)を底本とした校注本を見つけた。これで二件目である。柳長華主編,顧漫点校。中国で,明無名氏本が優れているから使うという先生は,むしろ珍しい。

古林書堂本と趙府居敬堂本を主校本とし,『太素』と『甲乙』を旁校本として,整理方法をおおよそ下のように説明する。
1.およそ底本、主校本の文字が一致してしかも誤ってなければ,底本の文字を改めたりしないし,説明もしない。
2.およそ底本、主校本の文字に違いがあれば,その違いを出校説明する。もし底本の文字が誤っているのが明らかであり,証拠が充分であれば,底本の文字をただちに改める。もし底本の文字に誤りがないかあるいは是非を確定しがたいものは,底本の文字は改めず,校記中にその異文を示すにとどめる。
3.およそ底本、対校本(定義の説明無し?)の文字が同じであっても,文理が明らかでなかったり誤りの存在を疑われたりするものは,旁校本をひいて考察する。出校の煩瑣を避けるため,およそ底本に明らかな誤りがあり,理によって断定できるものは,正文をただちに改め,同時に小注をもって改めた底本の原文を,“( )”を用いて示す。底本原文の小注は,一号小さい字体で区別する。およそ底本に脱文の疑いがあり,旁校本によって正したものは,補った文字に“[ ]”を用いて示す。凡そ底本の原文に衍があり,旁校本によって削ることができるものは,正文をただちに削り,その根拠を校記に出す。凡そ底本の原文に倒錯があり,旁校本によって乙正できるものは,正文をただちに改め,乙正した根拠を校記に出す。もし是非を定め難い場合は,底本の文字は改めず,ただその説を校記に出す。
いかにも,煩瑣を避けるためにはこうあるべきであろう。しかし実際をみると,いや凄まじい。
  凡用针者,虚则实之,满则泄之,宛陈则除之,邪胜则虚之。《大要》曰:徐而疾则实,疾而徐则虚。言实与虚,若有若无;察后与先,若亡若存(若存若亡);为虚为实,若得若失。虚实之要,九针最妙,补泻之时,以针为之。写曰[迎之,迎之意]必持[而]内之,放而出之,排阳出(得)针,邪气得泄,按而引针,是谓内温,血不得散,气不得出也。补曰随之,随之意若忘(妄)之,若行若按,如蚊虻止,如留如还,去如絃绝,令左属右,其气故止,外门已闭,中气乃实,必无留血,急取诛之,持针之道,坚者为宝。正指直刺,无针左右, 神在秋毫,属意病者,审视血脉,刺之无殆。方刺之时,必在悬阳,及与两衡(卫)。神属勿去,知病存亡。[取]血脉者,在腧横居,视之独满(澄),切之独坚。 
  ①按:《太素》卷二十一《九针要道》及《素问・离合真邪论》王冰注引《针经》皆作“悔”。
  ②脉:下原有“者”字,据《甲乙》《太素》删。
大丈夫かね。
いや,改変の理由を書かなくても大丈夫か,という意味ですがね。
この本は初心者向きなんだろうか,それとも,ある程度の判断力がある中級者向きなんだろうか。