(『素問』の)北朝伝本は,現存する文献の中では,ただ一つ隋唐の楊上善撰『黄帝内経太素』が現存する『素問』『霊枢』の内容と基本的に同じなだけである。北朝の時には多くの避諱が有り,例えば北朝東魏の孝静帝の名が元善見であるから,『黄帝内経太素』の文中では「善」を改めて「喜」としていて,これは元善見の諱を避けて文字を改めたのである。故に『黄帝内経太素』一書において,楊上善が拠った底本は北朝伝本のはずである。(『黄帝内経針灸学之研究』李順保主編 学苑出版社)何のことやらさっぱり判らない。私の新新校正の電子データを調べたところ,善も喜もそれぞれ200ほどヒットする。紛らわしいものも有ったように記憶しているが,仁和寺本の影印を確認したところ,紛うかたなく善というのも決して少なくない。李先生は,袁昶もしくは蕭延平の字面を過信したものと思われる。あるいはまた『素問』の善が『太素』では喜になっていると言いたいのかも知れぬが,そうならそうと多くの例を挙げて言ってもらわねば,安易に頷くわけにはいかない。
ほぼ半々ということは,『素問』に相当する箇所は喜,『霊枢』に相当する箇所は善?だったらおもしろい,けど,そうだったらそのように書いてよね,だよね。
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