2016年1月5日 星期二

肝在味為辛

『甲乙経』巻一・五蔵変腧第二に「肝為牡蔵,其色青,其時春,其日甲乙,其音格,其味酸。」(『霊枢』では順気一日分為四時)とあり,細字注に「素問曰:肝在味為辛。於経義為未通。」とある。これについて張燦玾主編『針灸甲乙経校注』には「此十四字,明抄本作大字正文。拠文義,顕係後人注文,故仍従此本。“肝在味為辛”,詳察今『素問』中無此義,疑所謂“『素問』曰”,疑有誤。」という。謹んで案ずるに,この通りの文句は確かに今の『素問』には見えないが,『太素』巻三・陰陽雑説に「東方青色,入通於肝,開竅於目,藏精於肝,其病發驚駭,其味辛,其類草木,其畜雞,其穀麥,其應四時,上爲歲星,是以春氣在頭也,其音角,其數八,是以知病之在筋也,其臭臊。」とあり,「其味辛」の下に楊上善は「肝味正酸而言辛者,於義不通。有云:金刻木爲妻,故肝有辛氣。」という。したがって,仁和寺本の書き間違いではない。かつて確かに奇妙な『素問』が有ったはずである。因みに現行の『素問』では金匱真言論に相当し,そこでは「其味酸」に作っている。残念ながら,心と肺については『太素』も,『甲乙』の引文のようにはなってない。

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