明・藍格抄本『甲乙経』には,誤字・脱字が甚だしいと,さんざんな言われかたであるが,重要な資料であることに疑いはない。
頭注を書いたのは,巻末に手跋を加えた戴霖であるというのには,反対意見は無さそうである。文字が似ている,らしい。戴霖が戴震の族弟であることは,他にも気付いた人はいると思うが,わたしもどこかに書いた。
では,本文を手写したのは誰だろう。まさかと思うが,本文と頭注の文字,似てないこともない。戴霖が自分で書き写したものを,自分で校正したんじゃないよね。だから,まさかなんだけど,巻二の経脈根結第五の初めのところに,「頭注」として「出靈樞二卷根結篇」とあるんです。こういうのは藍格抄本のはじめのほうだけに有るんだけど,他では本文あつかいの大字なんです。ここだけが頭注……,じゃないかな。
もし,本文の書き手も戴霖だったら,かれが頭注で指摘しているあまりにも馬鹿馬鹿しい誤字・脱字は,断らずに訂正できると思うんだが。
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