2013年3月13日 星期三

聊?

敦煌本『明堂』残片に,上聊・次聊・中聊・下聊などの穴が有るという書き方は,気に入らぬ。
確かに『中国針灸史図鑑』に載せられた写真では,そのようにも見えるが,これらの穴の在る部位からしても耳偏などに従うべき理由が無い。そもそも筆書の文字で,耳偏と肉偏などは区別がつくのか。
まあ,肉偏に卯などという字は,『漢語大字典』にすら無いようだから,致し方ないとも言えるが,そうした文字がかつて全く存在しなかったというわけではない。仁和寺本『太素』の巻十一の骨空の楊上善注に「此經𢨺(戸卯)字音聊,空穴也」とある,その「聊」字に相当するものは明らかに月に夘(卯の異体字)である。
もつとも,フォントの準備が有ろうはずが無いから,私の『黄帝内経太素新新校正』でも,『素問参楊』に従って「聊」で誤魔化してあるから,偉そうなことは言えぬ。

沒有留言:

張貼留言