2017年7月2日 星期日

行けるうちに行っておけ

むかしむかし,まだ上海にいたころ,島田先生の患者さんで書家の藤木さんが,お弟子さんをつれて遊びにきた。たしか二度。その二度目のことだったと思うけど,先ず列車で紹興へ,紹興から杭州へ,そして杭州から蘇州へ,蘇州から上海経由で帰国。(順序はうろおぼえ。)列車の手配が大変でした。
紹興では,書家ですからね,当然ながら蘭亭へ行きたい。でも当時は交通機関が十分でなくて,前日に予約しておいたはずなのに,その日になってタクシーの手配ができてない。ホテルのフロントで,明日ならなんとかすると言われたって,明日は特急(?)の切符を苦労して手にいれている。押し問答のすえ,あっちこっちに電話してくれて,まあ何とか蘭亭まで行けました。
蘭亭の周囲は田んぼで,タクシーは道路脇に停めて,わるいけど後は歩いてくれと。まあ,バス停から田んぼ越しに見えるという程度の距離だから問題は無い。うわさどおりの流水に,うわさどおりの鵞鳥がガアガアいってました。
なんで,そんなに食い下がったかというと,藤木さん,入院して,回復しての小康状態だったから,次の機会にはなんとかする,というわけにはいかないと思った。実際にはそれから結構長く元気だったけれど,こちらが怠惰で,もう一度もう一度とせっつかれたけれど,やっぱり次というわけにはいかなかった。おしいことをしたと思うし,悪いことをしたとも思う。
タクシーの運転手は,タクシーの横で煙草を吸いながら待っていた。口数は少ないけど,親切な若い人だった。料金を支払うときになって,無事に蘭亭見学もできたし,さりげない親切が嬉しかったので,チップを渡そうとしたら毅然として断られた。そして領収書が要るだろうから寄り道をする,と。なんと市役所でした。つまり,市の公用車を無理に手配してくれたみたい。
当時の中国の若いお役人には,生真面目な人がけっこういたんです。
蘭亭は,すくなくとも当時は,観光ズレしてなくて,いいところでした。
あんまり写真も残ってないんだけど,たぶんそのときのもの。たぶん,三十年くらい前。どこの街角かはさだかでない。関係ない人が勝手にポーズをとっている。当時もひょうきんものはどこにでもいた。

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