2013年5月26日 星期日

黄帝内経霊枢集注

最近,大陸から妙に『霊枢』の参考書が入ってくるなあ,と思ってよく見たら,張志聡の『黄帝内経霊枢集注』が三種類です。学苑出版社と中医古籍出版社と山西科学技術出版社。こんなの何処が違うのかね。まあ,新たに印刷するにあたっての点校者が違う。でも,どんな人かなんて,インターネットくらいじゃろくに分からない。実はこの外にも,『黄帝内経集注』というのが浙江古籍出版社から出ていて,『素問』と『霊枢』の二つの部分が一冊に製本されている。で,私の持っているのは2002年12月の印刷なんだけど,今,本屋さんが広告しているのは2009年5月なんです。紹介の写真で見る限りでは同じもののようです。こんなの何処が違うの。まあ,誤植の訂正くらいはあるのかな。もの好きに全部持っている,あるいは見ることができる人がいたら,品定めをお願いします。

3 則留言:

  1. 内閣文庫所収本(康煕壬子/11年/1672本)と比校した。

    中医古籍(100種珍本古医籍校注集成)本(康煕壬子)は,中国医学大成本(医経2)(康煕壬子)と同じで,衛気行(76)と九針論(78)で,それぞれ,ちょうど二丁分脱けている。他の箇所は,不明。
    また,頭注が内閣文庫所収本より少ないし,頭注の脱文も同じ。
    中国医学大成本とおなじ本を底本としたと思われる。

    また中國哲學書電子化計劃も脱落状況,おなじ。
    http://ctext.org/wiki.pl?if=gb&chapter=146477

    山西科学技術出版社と学苑出版社(黄帝内経名家評注選刊シリーズ)の霊枢集注は,未見。
    『黄帝内経集注』(浙江古籍出版社)は,康熙庚戌/9年/1670で,二丁分の脱落はない。しかし,頭注に関しては脱文,誤字あり。

    それにしても,中医古籍出版社本も浙江古籍出版社本も,経文と注文のフォントも字の大きさもほとんど変わらないので,見づらい。読者への配慮が足りない。

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  2. 訂正および続報
    『黄帝内経集注』(浙江古籍出版社)は,『素問』は康熙庚戌/9年/1670序だが,『霊枢』は康煕壬子/11年/1672)序。

    内閣文庫所収本『霊枢集注』について。
    [請求番号] 300-0149 は,多紀氏舊藏本である。
    以下の版本より,全体に刷りがよいが,巻5~巻6を欠く。
    [請求番号] 子021-0005は,医学館舊藏本である。
    多紀氏舊藏本の序:「康熙壬子葵夏錢塘張隱庵書於豐芑堂」。
    医学館舊藏本の序:「康熙壬子葵夏錢塘張隱庵書於西泠怡堂」。
    「豐芑堂」が早く,その版をもとに「西泠怡堂」の部分を埋木したと考える。
    「西泠怡堂」の部分が他の部分と字体が異なり,文字列にずれが見られる。
    精査したわけではないが,少なくとも,巻四の27裏~31表までと,巻七の37表~40表までは,注の内容が異なる。医学大成本など,近年の中国出版本は「西泠怡堂」序本であり,内容は子021-0005と一致する。

    なお,[請求番号] 300-0149と対であると思われる,多紀氏舊藏本『素問集注』[請求番号] 300-0136は,巻一を欠いている。そのため,序文をみることができない。

    山西科学技術出版社本は,医学大成本と同じく,衛気行(76)と九針論(78)で,それぞれ二丁分脱けている。北京から離れているので期待したが,残念。

    学苑出版社(黄帝内経名家評注選刊シリーズ)本は,依然として未確認。

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  3. 山西科学技術出版社本は,他より安い。また,中医古籍や浙江古籍とは異なり,経文と注文のちがいがはっきりわかる。

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