2015年6月22日 星期一

咽か嗌か

『山海経』の郭璞注に,「嗌,咽也,今呉人呼咽為嗌」とある。
ところで,『霊枢』経脈篇の心手少陰之脈には,流注には「從心系,上俠」といい,是動病には「乾,心痛,渴而欲飲」という。どうしたことか。
実は馬王堆の陰陽十一脈灸経(甲本)には「【心】痛,益()渴欲飲」とある。流注は咽には至ってない。
あるいは,流注と病症は,由来を異にするのではないか。つまり,古い資料の病症に「嗌渴」あるいは「嗌乾」とあったので,それをそのまま用い,流注に増補された文中には,その当時に普通の字「咽」を用いた。

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