2015年6月22日 星期一

曲鬢

『甲乙経』巻三に列する穴は先ず,前髮際に中央から左右へ神庭・曲差・本神・頭維,正中線を前から後ろへ上星・顖会・前頂・百会・後頂・強間・脳戸・風府,正中線の両傍一寸五分を前から後ろへ五処・承光・通天・絡却・玉枕,目の上眥から直上して前から後ろへ臨泣・目窓・正営・承霊・脳空,耳の上を行く天衝・率谷・曲鬢・浮白・竅陰・完骨,後髮際を中央から左右へ瘖門・天柱・風池。これらが頭部の諸穴であって,それぞれおおむね一本の線上に配される。
しかし,耳の上だけは,現在の教科書的な説明では,天衝・率谷・曲鬢と前へ行き,天衝・浮白・竅陰・完骨と後ろへ行くことになっている。これはおかしいのではないか。
そこで古い図を探ってみると,例えば呉崑の『鍼方六集』に附属の伏人図では,天衝・率谷・浮白・竅陰・完骨と,前から後ろへきちんと並んでいる。考えてみれはそもそも「頭縁耳上却行至完骨」と題されていた。ところが曲鬢だけは,やはり前の方の正人図に載る。本当は,より古く率谷と浮白の間に曲鬢を配する資料が有ったのではないか。あるいはいっそ曲鬢に関する記述は錯簡してここに在るのではないか。

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