2012年7月1日 星期日

清明上河図の展開

清明上河図は,大好きなんだけど,辟易するところも有る。
例えば,このBLOGのタイトルに使っている部分,お店の土間のかたちが歪んでいるでしょう。それは逆遠近法だそうです。現代の我々からするとはなはだ奇妙ではあるけれど,どうも中国だけのものではなくて,古くはむしろ一般的(?)だったらしい。
そのあおりも有ってか,その上のやや左よりの部分ですが,これも変でしょう。
観るものからほぼ同じ距離のはずの人物に,これだけの大小の隔たりが有ります。
いくらなんでも……。
でもね,これは絵巻物なんです。開いていって,閉じていって,中央の建物群がそれぞれの「世界」の境界であるとしたら……。
つまるところ,現代の目で観れば奇妙な,あるいは敢えて言えば稚拙に思えるところにも,むかしの人の立場から言えば,様々な工夫が潜んでいるのかも知れない,というおはなし。

1 則留言:

  1. 右手の親子連れを小さくしないと,右に続く河の,中ほどに浮かんだ船の上で立ち働く人たちとの,大きさの釣り合いがとれません。その間に,世界を別つ何ものかを画く余地も有りません。

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