2012年6月30日 星期六

治せるわけが無い

鍼灸医学に,本当に,病が治せるのか。

治せるわけが無い。
誤解しないでいただきたい。「わけ」が無い,と言っている。治らないのではない。
日本のいわゆる経絡治療にせよ,中医鍼灸にせよ,マニュアルには治せる「わけ」をうたっている。そんなものは嘘か,あるいは方便であると,やっと悟った。
『内経』に,筋の病では圧して痛むところを輸となし,そこに瞬間的に熱刺激を与えれば癒えるとある。やってみればいい。身体の内部の機能は五蔵が分担して管理している。五蔵には原穴が有る。取ってみればいい。水穀を摂取し,こなして,排泄するのは,六府の役目である。六府には下の合穴が有る。試してみたらどうか。
無論,それで全てが上手くいくわけが無い。そこで,いろいろと苦労する。マニュアルを引っかき回して,さまざまに試みたりもする。別に魔法の呪文のような特別な「わけ」が有るわけじゃない。「あたり!」により早く到達するための,割合に有効な秘訣を期待するだけである。『内経』あたりを読むのも,最初の最初の一歩に,覚悟を定める為である。

私自身は,やっとここまで悟るのに,随分と時間をついやしすぎた。
それでもきっとこれからも「わけ」を求めて足掻くだろう。因果な性格だ。

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