上海の街角を案内するテレビ番組に,四川北路近くの市場風景があって,盥に甲魚の札が附いていた。スッポンである。別に滋養に良いものとして,先ず第一に指を屈すべき魚という意味ではなくて,ヨロイをつけたサカナという意味である。
日本には,古来,甲をカブトと誤解していたむきが有るので,ハテナを出されるかも知れない。甲冑という詞語は,経典著作にも出るらしいし,上に甲,下に冑であるから,間違うのも無理はなかろうが。
美猴王は,竜宮へ武具をねだりにいって,如意金箍棒の他に,藕絲歩雲履と鎖子黄金甲と鳳翅紫金冠をまきあげている。もし,甲がカブトであったら,カンムリの上にカブトをかさねるという,珍妙なことになってしまう。むかしの訳者の中には,それで平然という人もいましたがね。
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