……ここで重要なことは、張彦遠は、絵の出来をすべて人品に帰しているのではない、という事実である。……顧愷之に対する李嗣真の評語、「顧愷之のような才流を下品に置いていいものか」に対して、張彦遠は、「我々は絵画を評価しているのであって、才流を問題にしているのではない。李氏の発言はあやまっている」とはっきり言っているのだ。張彦遠自身、……「絵描きというものは人品が高くなければならない」と発言しているのは確かなのだが、あくまでも作品の出来が重要だという一線を越えてはいない。それは、後世いわゆる士大夫画に関して、まるで「しろうと画」としか言えぬものも、人品のみで評価しようとする考え方とは違うのである。……宇佐見文理著 『歴代名画記』―〈気〉の芸術論 (2010年 岩波書店)より
なんとまあ、中国伝統医学の世界における,熱意と情愛だけではなくて,しっかりした技術が前提なんだよ,という忠告と似ていることよ。
沒有留言:
張貼留言