屄篤(松江人呼屄為篤)
人問其友曰:同一陰物,或称屄,或称篤,何也?友曰:毛而瘦者為屄,光而肥者為篤。因問令正有毛乎?無毛乎?其人即喝曰:咄。(咄篤同音)
按ずるに,字書には屄は女陰,𡰪は尾下竅で音篤とある。してみると,篤は性器ではなくて,肛門なのであろう。つまりこの笑い話は,岩波文庫の注「これは無毛だと告白したことになる」では,的外れということになる。女色か男色かとからかわれて,男色だと告白してしまったのである。
なんだか卑猥な話のようだが,そうではない。
『太素』巻第十 経脈之三・督脈の「簊」は「篤」の誤りであろうという話。簊の下部の土は,実際には俗字で圡と書かれているからいよいよ篤と紛れやすい。篤、督、𡰪、䐁が同音で,尾下竅の意なら、䐁(字典は豚に誤る)が正で𡰪が俗であるが,篤と書かれることも有ったらしい。
其絡循陰器,合簊間,繞簊後,
楊注:督脈之絡,[從]庭孔,別左右,循男女陰器,於簊間合,復繞於簊後也。簊,音督,此□□□□後也。